上位作品

第25回展の上位作品

内閣総理大臣賞

儚ない花・夏が終る

椚 粛明 さん(山梨県)

撮影情報
撮影地
山梨県 笛吹市
カメラ
キヤノン EOS 5D markV
レンズ
EF 85mm f1.8
絞り
1.8
シャッター速度
1/60
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
4000
ご受賞者の声

まず初めにこのコロナ渦の中、第25回総合写真展の企画・運営・開催にあたり関係者・担当の方々には多大なご尽力に、心より感謝いたします。ありがとうございます。今回、初出展で内閣総理大臣賞という誉(ほま)れ高い評価をいただき、身に余る名誉とは思いますが、本当に嬉しく思います。受賞の封筒を開封して、内閣総理大臣賞の文字を見たときは一人家で叫んでしまい、我が家の愛猫達が私の声に驚いて走って逃げてしまいました。その他2作品も準大賞でしばらく放心状態でした。この作品は、近所の友人家族と一緒に花火を楽しんだ時の一場面です。花火を楽しんで、終盤のまったりとした雰囲気で花火をしている女の子です。楽しいのに何か物足りなさ、物思いにふけってしまっている様子が表現できたのではないかと思っています。手持ち花火で子どもたちが遊びながらなので撮影も手持ちで行いました。この作品はISO4000まで跳ね上がっていましたがF値も開放1.8でも、シャッター速度は1/60位しか確保できず、手振れに細心の注意を払いました。声をかけると自然な姿が崩れると思いそっと素早く撮影できたのも良い結果に繋がったと思っています。仕上げでは花火をしている女の子や近くの火付け用のバケツの位置、バックを黒に落とした感じ、影など、構図や全体の情景を大切に仕上げました。普段の撮影では写真教室の講師により、構図や撮影ポイントの指導、この写真に関しては現像処理などの的確なアドバイスをいただきながら仕上げました。講師の先生にはこの場をお借りして御礼を申し上げます。今後はこの結果に慢心することなく、写真作品を通して撮影技術の大切さや楽しさを多くの方に伝えて行きたいと思います。

▼審査員講評テラウチマサト氏

線香花火をする子どもの頬杖をついた後ろ姿にこれまで見てきた線香花火の写真から感じてきたものでない、寂しさ、空虚さ、一緒にはしゃげない今の時代の空気が伝わってきた。赤に転ばせたモノトーンプリントのせいで子供の心に巣くう不安もより深くなる。ろうそくのせいか明るく揺れるバケツが画面のバランスを保ち、地面を照らす灯りが半分シルエットの子どもを見事に浮かび上がらせる。子どものしぐさが観る人の心にまっすぐに刺さり、夏の終わりに感じる寂寥(せきりょう)以上の孤独感が伝わってくる。

衆議院議長賞

一日の始まり

高橋 美子 さん(山形県)

撮影情報
撮影地
山形県 東根市
カメラ
ニコン D7500
レンズ
ニコン 80mm
絞り
11
シャッター速度
1/13
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
200
ご受賞者の声

この度は名誉ある賞をいただき心から感謝しております。本当にありがとうございました。車で一時間くらい走ると、冬には小さなスキー場になる高原付近に堂々とそびえ立つ山があります。天候をみながら、早朝、夕方と通う中、自然の大いなる力に心を洗われるような感動と、そしてまた頑張ろうと何度も勇気をもらいました。何よりも無心になれる瞬間が心身のリフレッシュになります。カルチャーセンターから始めた写真でしたが、知らない人とでもお互いにカメラを手にしているだけで楽しく話ができるのがとても不思議な感覚です。思うようには撮れない中でも、できるだけ心を落ち着けて穏やかに暮らすことが最良だと思い過ごしています。今回の受賞は一条の光のような気がしました。これを励みに今後も一層精進したいと思います。

▼審査員講評テラウチマサト氏

ダイナミックな風景写真だ。巨大な岩肌にこびりつくように生える紅葉真っ盛りの植物。岩の下にも紅葉が始まったばかりの森が広がる。その風景の中、朝の光が尖った一部の岩肌と森の端に届いている。朝の限られた時間の一瞬の風景を見逃さず、感性の反射神経で撮ったような写真だ。絶景写真とは違う、派手ではない品のいい赤い紅葉や“大自然”そのものが伝わってくる光の効果と切り取り方。写真をよく理解している人の作品であることが伝わる。

参議院議長賞

帰路

前川 保彦 さん(東京都)

撮影情報
撮影地
東京都 渋谷区
カメラ
ソニー α7S3
レンズ
FE 12-24mm F4G (12mm)
絞り
5
シャッター速度
1/250
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
4000
ご受賞者の声

きっかけはご縁で入会したオンラインサロンで応募を勧められたことでした。普段はポートレート撮影ばかりで写真芸術のフォトコンテストに応募するのは今回が初めてだったため、無知の極みで総合写真展の権威も知らず受賞通知をいただいたときも正直あまりピンときていませんでした。その後周りの声から大変栄誉な賞をいただいたと、感動が湧いてきたのは言うまでもありません。雨が多かった今年の5月下旬、その日も朝から雨でした。窓から雨雲を眺めていて写真のイメージがふっと湧き、すぐに渋谷に向かいました。傘をさして人目を気にしながら歩道にしゃがみ込みカメラをミニ三脚で固定、信号が青になるとひたすらシャッターを切りました。そして運よく魅力的な登場人物たちに巡り合うことができました。この写真の成立要素は運がもたらしたものですが、その運が訪れたのもイメージを持って悪天候にかかわらず行動を起こしたが故と、まるで写真の本質の一端を知らされたような思いです。選んでいただき本当にありがとうございました。お陰様で写真人生に大きなマイルストーンができました。

▼審査員講評テラウチマサト氏

画角12mmという超広角レンズの特性と低い位置のカメラアングル、それに駆けていく女性の宙に浮くシューズが抜群のシャッターチャンスとなっている。主役の女性を中心に両脇の傘を差す左右の人物が安定感のある構図を生み、そこに調味料のように加わった雨に写り込む濡れたアスファルトや赤いシューズが、写真にまるで旨味を加えているようだ。やや明るめの、そして少し彩度を上げたプリントが雨の日の重い気分を一変した。

文部科学大臣賞

うごかないで

松井 章生 さん(滋賀県)

撮影情報
撮影地
滋賀県 大津市
カメラ
ニコン D7200
レンズ
シグマ 17-50mm f2.8
絞り
2.8
シャッター速度
1/60
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
1000
ご受賞者の声

この度は文部科学大臣賞という栄誉ある賞を頂きありがとうございます。初参加で大きな賞を受賞できたことに大変驚き夢ではないかと思ってしまいました。作品は美容室にて我が子の散髪姿を撮影した写真です。どうしても動いてしまう我が子。それをなだめながらカットを行っているスタイリストさんの手。一つの画角に二つの動きを入れ写真に時間を持たせることができた渾身の写真です。元々、私はフォトコンテストに応募することなど考えておりませんでした。しかし、私の写真の師匠でもある写真教室の先生に写真を見ていただくと、「良く撮影出来ているのでフォトコンに応募してみたら?」のお言葉をいただき、さらにこの大きな写真コンテスト・総合写真展を紹介していただきました。その際に編集のアドバイスをいただけたことにより写真を作品に昇華できたと思います。それでも、まさか、こんなに素晴らしい賞をいただけるとは思いませんでしたが...。私は今まで「写真が上手い」ということが理解できませんでしたが、「なるべくカメラを持ち、積極的に撮影」を行い、「先生に指導とアドバイスいただく」ことで少しずつ理解してきました。さらなる写真のレベルアップを図りたいと研鑽しています。最後に、写真の指導をしていただいている先生、撮影を許可していただいた美容院のスタイリストさん、父親の趣味と我儘(わがまま)に付き合ってくれた息子に感謝したいと思います。

▼審査員講評テラウチマサト氏

ヘアーカットされる子供の写真に、生き生きとした生活の1シーンを想像させ、観ている側を楽しく感じさせる写真だ。そう思った理由は、モノクロでプリントしたことにつきる。モノクロプリントが、背景の壁や天井を白くすっきりした印象にし、ボケた背景と相まって子供をくっきりと浮かび上がらせ濡れた子供の黒髪を健康で元気なイメージへと誘う。また首から上のみで切った子どもとその髪をカットする二つの手の入れ方が、いずれも大胆に切り取られたことで写真に動きが加わりモノクロの写真に活力を加えている。

東京都知事賞

決心

安里 寿美 さん(沖縄県)

撮影情報
撮影地
沖縄県
カメラ
ソニー α7U
レンズ
情報無し
絞り
情報無し
シャッター速度
情報無し
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
情報無し
ご受賞者の声

この度は名誉ある賞をいただき、心より感謝を申し上げます。大変光栄に思います。自分の写真がどこまで通用するのか知りたくて、初めて応募しましたが、思いがけない結果に歓喜の涙が溢れました。外出自粛で腕がなまらないように、撮影に出かけた時の作品です。落陽していく空がきれいな時間でした。光と奥行き感を取り入れ、インパクトのある構図を意識しました。モノクロにしたのは、全体の存在感を強く見せるようにしたかったからです。悔しさや悲しさが入り混じった表情を滲(にじ)ませながらも、前へ進んでいく。後ろに輝く光も後押ししているイメージで撮ってみました。写真には心を動かす力があります。私も写真によって心を動かされたその一人です。この作品が、誰かの一歩を踏み出す力になれたら幸いに思います。“心を撮る”作品づくりを目指して、この先も励んでまいります。

▼審査員講評テラウチマサト氏

創造力を喚起する写真だ。ニット帽の鼻をひしゃげた人物がこの写真の主役だが、表情といい切り取り方といい、人物の後ろに続く長い道と呼応してイマジネーションが膨らむ。「決心」というタイトルと風車や空、雲のシーンもイメージ増幅に一役買っている。顔半分の切り取り構図は、江戸時代の浮世絵でも盛んに使われヨーロッパの画家たちにも真似された日本的な構図。それを上手く使って作品に仕上げた撮影者のセンスや感覚に光るものを感じた。

東京都議会議長賞

祈り

奥村 泰子 さん(神奈川県)

撮影情報
撮影地
ベトナム ホイアン
カメラ
ニコン DF
レンズ
ニコン 28〜300mm
絞り
5.3
シャッター速度
1/125
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
1800
ご受賞者の声

このような素晴らしい賞をいただき、おどろきと嬉しさでいっぱいです。写真は2014年に憧れのアフリカ旅行へ行くため、カメラを購入したのが始まりです。ベトナムでのこの作品は洞窟寺院でひと筋の光の中にただよう煙の美しさに惹かれてシャッターを切りました。写真を始めてから道端の小さな花、草の水滴、普段の生活、旅などに今まで以上に美しさや興味を感じるようになりました。これからも楽しく心に響く瞬間を捉えていきたいと思っております。

▼審査員講評徳光 ゆかり氏

光の使い方が素晴らしいです。やはり写真は光、という印象の作品です。画面右下の人物に対して左上角を煙で埋めたことで、作品が大きく見えます。人物の表情、特に手首の様は全体の要になっていますね。横顔もいいですが、後ろに束ねた髪へのハイライト光とほのかに見える背景などで奥行も出ています。立ちのぼる煙の形の美しさは、濃淡も含めて写真ならではの表現美です。タイトルのシンプルさも作品を引き立てています。

大賞

夜明け前

TU I CHANG さん(東京都)

撮影情報
撮影地
石川県 珠洲市
カメラ
オリンパス EM1-MKV
レンズ
情報無し
絞り
情報無し
シャッター速度
情報無し
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
情報無し
ご受賞者の声

この度は素晴らしい賞をいただきありがとうございました。写真は言葉の壁を越えられるものだと私は思っています。私たちカメラマンは、実際には見ていない景色でも、頭の中にあるイメージと合わせて表現するものだと考えています。これからも美しい作品を撮って、世界中の景色を表現できるよう頑張ります。

▼審査員講評徳光 ゆかり氏

上下左右対称の構図に適した被写体でしたね。色彩の組み合わせも綺麗です。画面中央の二人がいることで、この場所の広さや奥行きが伝わってきます。タイトルの夜明け前は撮影時のことでしょうか、夜明けみたいだと思ったのでしょうか。造形的な被写体と構図なので、少しだけトリッキーな言葉でも良かったですね。人物の大きさなどへの目配りや、ファインダーの中の注意力が発揮された作品です。タイトルへの要望が出てくる程、印象に残りました。

大賞

Swimming Crab

土田 陽介 さん(群馬県)

撮影情報
撮影地
和歌山県 東牟婁郡 古座川町
カメラ
ニコンD800E
レンズ
14-24mm f2.8G
絞り
13
シャッター速度
1/200
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
100
ご受賞者の声

この度は私の作品を高く評価していただきありがたく思っております。今回の作品はアカハライモリの産卵風景を川の中から桜と絡めて撮影するつもりでポイントを探している時に、偶然蟹が流れていたのでとっさにシャッターを切ったものです。蟹の種類は淡水性のモクズガニで海や汽水域に生息する渡り蟹の仲間とは違い、泳ぐことは基本的にはなく、水の流れが急な場所でもたいていは川底をテクテク歩いていることが多いのですが、なぜか水面を滑るように流れてきました。死んでしまったものがたまたま流れてきたのかと思いましたが追いかけて確認したところしっかり生きていました。川の中は常に強い流れがあり、身体を固定させて撮影するのが難しいため、ほとんどの場合(特に広角レンズを使用する場合)ファインダーは覗かずに感覚的に撮影しています。生物を主たる被写体にしているため、一部の例外を除いて一発撮りになる場合が多く、事前のイメージトレーニングと情報収集、そして直観力と何より運が大事だと思っています。今後もライフワークとしてシンプルでわかりやすい生物の魅力が伝えられる写真が撮れるように知識と技術をアップデートし続けていきたいと思います。

▼審査員講評徳光 ゆかり氏

エッ、と一瞬目を見張りました。カニ?カニ??初めて見る水中のカニ。タイトルを見てまた驚きました。泳いでいるのですね、それを下から見上げると、青い青いステージに悠々と漂っているのですね。写真ならではの世界、素晴らしき世界、光の美しき世界です。シャッターチャンスも良いです。周囲の黒の部分が名脇役になっています。写真って愉しい美術ですね、撮った人、観た人が繋がるのですからね。

準大賞

順番、順番

菊地 利長 さん(北海道)

撮影情報
撮影地
北海道 川上郡
カメラ
キヤノン
レンズ
情報無し
絞り
情報無し
シャッター速度
情報無し
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
情報無し
ご受賞者の声

数年前に鶴居在住の写真家と野鳥観察に同行しました。その時は双眼鏡だけ持って行き、撮影は徹底した観察でした。観察の時間を多くすると、いつもはわからないところまで鳥の行動を観察することができました。クマゲラは、一時間に一回位ヒナに餌をもってきますが、巣穴から身体を乗り出して親から餌をもらうようになると回数を減らすようになり、巣の近くにきては「キューン、キューン」と鳴き声で巣立ちを促すようになります。多くの野鳥を観察することが、撮影の前には大切だと実感しました。苦労して撮影した写真は感動を与えられると思います。

▼審査員講評徳光 ゆかり氏

リズム感のあるタイトルで作品の愉しさをより強く感じさせていますね。背景の明るい緑色と頭の鮮やかな赤色が愉しさを際立たせています。ヒナたちのまーるい目にハイライトが入っていて、生き生きして見えます。自然界を撮っている方でも、なかなか出会えない瞬間なのでしょうか。まるで自由自在に演出したように見事な瞬間ですね。巣穴が画面上下の真ん中にあり、作品のドラマチック性を増しています。

準大賞

朝陽に向かって

中沢 賢治 さん(神奈川県)

撮影情報
撮影地
インド アグラ タージマハル
カメラ
ニコンD810
レンズ
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR
絞り
8
シャッター速度
1/200
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
100
ご受賞者の声

タージ・マハルは1987年の初夏に妻と訪れた場所でした。陽射しにやられて病気になったことを思い出します。それから仕事の関係で妻と2匹のワンコと一緒に様々な国に移り住みました。この写真はロンドンの職場で仲良しだったインド人ご夫妻が、息子さんのデリーの結婚披露宴に招いてくれた時にアグラまで足をのばして撮影したものです。若い頃から愛読してきた本の中に「月下に玲瓏(れいろう)と輝く構築物」として登場します。31年ぶりの再訪となりました。あれこれ思いをめぐらせながら建物の内側で日の出を待ちました。日の出直後にご婦人の姿が見えてあわててシャッターを押した一枚です。栄えある賞に選んでいただきとても嬉しいです。

▼審査員講評徳光 ゆかり氏

優美さにあふれた作品ですね。どういう状況なのでしょうか。素敵です。黄金色の朝陽に包まれて、まるで映画のワンシーンのようです。女性と丸いアーチや遠くの塔のシルエットが重なり合って美しいですね。画面では小さな女性の姿を浮かび上がらせる為の立ち位置が絶妙です。細部までの目配り気配りが出来て、作品をきちんと仕立てています。朝陽の中で空気さえもが優雅に漂っているのですね。

準大賞

大道脈

山田 喜藏 さん(岐阜県)

撮影情報
撮影地
静岡県 庵原郡 由比
カメラ
ペンタックス K-3
レンズ
ペンタックス DA18-135 3.5-5.6
絞り
11
シャッター速度
45
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
400
ご受賞者の声

前回展同様に「準大賞」を受賞することができました。撮影場所は静岡県由比「さった峠」。峠の眼下には東名高速道路の上下線、国道一号線の上下線、東海道線等の眺望、光跡の撮影場所には唯一無二の場所です。夜間、日本の大動脈を行き交う大型車のヘッドライトとテールランプの切れ目のない光跡。大型車の行き交う台数の多い曜日と夜間の時間帯はいつなのか。そして鮮明な色で描写できる時節など、工夫が必要でした。そして撮影場所は自宅から遠方ですが、思い描いたベストな光跡を撮りきりたい思いで複数回足を運びました。これからも老体を励まし更なる上を目指し努力しなくてはと思っています。

▼審査員講評板見 浩史氏

静岡県由比での撮影ですね。東名高速道路と国道とが美しく交差する絶好の撮影ポイントで、朝夕の海岸線の景色と組み合わせた狙い方なども含め、過去にも傑作がよく生み出されています。この作品の場合は完全に陽が沈んだ時間帯を選んだことで、長時間露出によって捉えた光跡の輝きと曲線の美しさだけが強調されて、より印象的な作品に再現されました。テールライトの赤い光跡もタイトル通り大動脈の中の血液の流れを想像させ、生命感さえ感じさせる作品に仕上がりました。

準大賞

遭遇

白山 貴浩 さん(広島県)

撮影情報
撮影地
広島県 広島市
カメラ
キヤノン EOS 80D
レンズ
キヤノン EFS 18-55mm
絞り
6.3
シャッター速度
1/25
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
2000
ご受賞者の声

このような賞をいただき光栄です。フォトコンテストにおける写真とは「先人の模倣(もほう)」だと考えています。たくさんの写真を見て、自分の好きな写真をリスペクトし自分の中で昇華できるといいなと思いながらシャッターを切っています。

▼審査員講評板見 浩史氏

バスルームの曇りガラスを活用されたのでしょうか。子供たちのユニークなポートレートとして強い印象を残した作品です。ガラス面に近い部分はシャープに、離れた部分は極端にボケて描写されるという効果を上手に視覚化し、可愛らしい子供の表情と肢体(したい)を不思議で異質な生物に変換≠オた作者の発想力の豊かさに感心します。「未知との遭遇」といったイメージを喚起するタイトルも適切でした。特に、予定調和的な笑顔ではない左の男の子の仕草と表情がとても活きていると思います。

準大賞

五輪の夢に挑む(荒海の日本代表戦)

水野 英樹 さん(千葉県)

撮影情報
撮影地
千葉県 長生郡 オリンピック会場
カメラ
ニコンD5
レンズ
AF-S NIKKOR 300mm f2.8G ED VRU (300mmレンズに1.7倍純正テレコンで撮影)
絞り
情報無し
シャッター速度
情報無し
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
情報無し
ご受賞者の声

知人の内閣総理大臣賞の報を知り、私も挑むべく2020年初めて出品した2作は共に優秀賞。作品に足りない物を知る為に、東京都美術館で全国から集う1400作を眺め、自分の写真に対する自信とポリシーが誤りで無いと再認識し、同時に2021年どうすれば良いかを掴んだ。頂点を狙うべく2021年再び出品。かなり自信が有ったので通知が届くのを日々楽しみに待つが、開封の瞬間はドキドキで準大賞。残念ながらあとわずかで頂点へ及ばす。次回は、より精進した作品で挑みたい。自分だけが撮れるオリジナリティで審査員に是非を問うのが、コンテストに対する私の信条。本作の為に、初めてのサーフィン撮影。雨と冷たい11月の海風が吹く大会。残り1人の日本代表の夢へ、全ての選手が荒れる波に我が身を掛ける。私は、レンズに雨が付き冷たい風に吹かれながら撮り続けた。こうして、あの時振り返ると、選手も私も、何もかも忘れ燃えたから見る人へ感動を伝えられたと思う。

▼審査員講評板見 浩史氏

300mmの超望遠レンズに1.7倍のテレコンバーターをつけて500mm以上の望遠効果を出しています。当然のことながらISO感度も上がり粒状性が強調され、高めに上げたコントラストと相まって強いインパクトが画面に漲(みなぎ)っています。あたかもイラストのような印象を与える描写は見る人の写真観によって評価が分かれそうですが、スポーツの一瞬を捉えた迫力は不動のものです。サーファーの鋭い眼、伸ばした指先にまで伝わる緊張感、写し止められた水滴の一粒一粒までを画面に定着させた作者の執念は見事というほかありません。

準大賞

絆・心通わせて

秋山 輝一 さん(東京都)

撮影情報
撮影地
茨城県 鹿嶋市
カメラ
ニコン D500
レンズ
ニコン AF-S NIKKOR 18-20 2.8 4E
絞り
情報無し
シャッター速度
情報無し
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
情報無し
ご受賞者の声

昨年に続いて、上位入賞の連絡をいただき嬉しさを噛みしめています。今回、この写真を撮るにあたり、流鏑馬(やぶさめ)神事の模様を撮影しましたが、射手と馬との心通わせているような姿に心惹かれました。この行事に華やかさは無いと感じますが、目の前でのこのシーンは撮影した自分の心も温かくしてくれた気がします。自分が納得できる写真や記憶に残る写真を丁寧に撮り続け、これからも趣味での写真を楽しんでいきたいと思っています。

▼審査員講評板見 浩史氏

流鏑馬(やぶさめ)行事の走者と愛馬との交流のひとコマを切り取った心温まる作品です。とかく的を射る迫力に満ちた瞬間ばかりにレンズと関心が向かいがちなところですが、こうした一瞬を捉えた作者のきめ細やかな視点と撮影態度に感心させられます。そして男性の優しい眼差しと、信頼に満ちた馬の表情に、この神事の本質を見る思いがします。カメラマンがあまり撮影する機会のない貴重なシーンなので無理は言えませんが、馬の表情がとても良いだけに、縦位置で馬の顔をもっと大きく捉えた写真も見たかった気がします。

準大賞

黄昏色の時

天野 中央樹 さん(東京都)

撮影情報
撮影地
神奈川県 鎌倉市
カメラ
ソニー ILCE-7SM2
レンズ
ソニー SWL100400GM
絞り
4
シャッター速度
1/200
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
6400
ご受賞者の声

昨年より総合写真展に応募し、優秀賞から準大賞にステップアップすることができて、大変光栄です。この写真は私にとって見慣れた日常の風景なのですが、この日は富士山と江ノ電300系をドラマのワンシーンのようにイメージして撮影したものです。なかなかイメージ通りの写真が撮れないことが多く、イメージ通りに撮れた数少ない写真です。主役は富士山ですが、江ノ電、歩行者、オートバイが入る瞬間にシャッターを切ることができました。夕暮れ時の慌(あわただ)しい光景が伝わることを願って撮影した一枚です。これからもイメージ通りの写真が撮れるように日々精進していきたいと思っております。

▼審査員講評板見 浩史氏

湘南海岸と鎌倉の魅力を一枚にぎゅっと詰め込んだような印象の作品です。夕暮れ時の江ノ電沿線の賑わいが望遠レンズの狭い画角と圧縮効果をいかんなく発揮して見事に切り取られています。逆光やフレアなど決して好ましくない光線状況の左の雰囲気と、車内灯に浮かび上がる混雑した右の電車内の雰囲気とが不思議に調和しているのも画面構成の妙と言えます。そうした人間の営みをはるか遠くから悠然と見下ろしている富士の姿が、とても象徴的に画面に納められています。安藤広重が現代に生きていたら、新しい東海道五十三次≠ェできそうですね。

準大賞

稲水滴

大澤 恵 さん(神奈川県)

撮影情報
撮影地
神奈川県 横浜市青葉区 寺家ふるさと村
カメラ
キヤノン EOS 6D
レンズ
キヤノン EF 85mm f/4
絞り
情報無し
シャッター速度
情報無し
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
情報無し
ご受賞者の声

この度は準大賞をいただき、驚きと喜びを噛みしめております。コロナ禍で撮影できる場所が限られる中、自宅からほど近い小さな里山に通うようになりました。そこは谷戸や田んぼや森が今でも大切に守られていて懐かしさの残る場所です。日の出の頃の光は美しく、小さな自然の中に宝物がたくさんあることに気づきます。この写真は7月の雨上りの朝、稲のキラキラ輝く水滴を撮りたくてレンズをいろいろ替えながら85ミリ単焦点レンズで撮ったものです。田んぼの向こうをのんびり行く自転車も入れて里山の雰囲気を出しました。まだまだ未熟ですが、これからも身近なところで私らしい写真を撮り続けていきたいです。

▼審査員講評丸林 正則氏

幻想的でなんとも良い雰囲気の作品です。雨が止んだ直後の撮影でしょうか、稲に付いた水滴が程良いぼけ具合と相まって優しく描写されています。そして構図の良さも大きなポイントと言えます。画面の約3/4を主役である美しい稲で占め、広々とした感じとボリューム感を強調させています。そして画面1/4は乳白色のもやか小雨が写っているので、風景に臨場感と奥行きが出ています。更にこの構図の見事さに加えて重要なのが、自転車で通りかかった人を配した点です。この自転車が存在するか否かで作品の成否が決定されてしまうと言っても過言ではありません。何故ならこれによって画面に動きやドラマが生まれるからです。

準大賞

グアンタナモの雨傘

本城 保寿 さん(神奈川県)

撮影情報
撮影地
キューバ グアンタナモ
カメラ
ニコン D810
レンズ
ニコン AF-S 24-120mm f/4G ED VR
絞り
5.6
シャッター速度
1/500
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
400
ご受賞者の声

準大賞に選出いただきましてありがとうございます。身に余る光栄でございます。私のライフワークのひとつである、世界遺産を主題にした撮影でカリブ海に浮かぶキューバ共和国を訪ねた時の一枚です。豊かとは言い難い国情にあっても笑顔あふれる親切な人々に触れ本当のしあわせとは何かを問い直す旅となりました。カメラという魔法の箱は国境を越え、言葉の壁を破り、心のコミュニケーションとなって多くの発見や感動をもたらしてくれます。この作品をご覧になり撮影の醍醐味を少しでも感じていただければ望外の喜びです。

▼審査員講評丸林 正則氏

キューバ南東部の街、米軍の基地が置かれている事でも知られるグアンタナモ。ここで撮られたまるで映画のワンシーンを見るかのような好作品。まずモノクロにしたことが成功の一番の要因で、次に雨という自然がもたらした絶好のチャンスを逃さなかった点。そして主役の女性が後ろ向きであったこと。なぜならこの作品を見る者にいろいろなドラマを想像させることができるからなのです。なぜ、こんな日に出歩いているのか、この大きな傘は誰の物なのか、道路の反対側にいる男性たちに視線を送っているのではないか等々。そしてキューバと言えばオールドカー。この作品の中でも非常に良い雰囲気を漂わせています。これらの好条件の要素がひとつになった瞬間を適格に捉えた腕前には感心させられます。

準大賞

雪祭りの日

佐藤 登 さん(秋田県)

撮影情報
撮影地
情報無し
カメラ
ニコン D810
レンズ
ニコン70-200mm
絞り
4.0
シャッター速度
1/1000
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
640
ご受賞者の声

この度は思いがけない審査通知にビックリと共に、選んでいただいた審査員の先生方に感謝申し上げます。この作品は岩手県八幡平市で新年早々(1月8日)に無病息災、家内安全、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈願するお祭りとして、全国的にも珍しい女性を中心として行われる裸祭りです。撮影の日は吹雪の中で行われましたが、小学生の参加もあり、寒さに震えながらも一生懸命に、300年も続くお祭りの継承に一役かっておりました。少女の眼差しとまとわりついた雪が好印象でした。総合写真展には十数年前から毎年応募しておりますが、いつかの優秀賞どまりで、この度は上位に選んでいただきました。「継続は力なり」でしょうか。続けて応募していると写真に対する考え方、意欲など高まってきます。これからも楽しみながら写真を撮っていきたいと思います。

▼審査員講評丸林 正則氏

どのようなお祭りかは分かりませんが、この大きな草鞋(ぞうり)は神様に捧げる神聖なもので、これをお供えする役を仰せつかった子供の神妙な表情と大切そうに持つ手の動きなどに、この重要な役目を失敗なく務めようとしている気持ちが伝わってきます。さらに衣装も背後も真っ白な画面の中で、この子の黒くて澄んだ瞳にも緊張感が表れ強いインパクトを与えています。このようなお祭りを写した作品の多くには、広い画面で見物人や祭りに関わる周囲の諸々のものを写し込んで臨場感や喧噪(けんそう)などを表す手法が見られますが、この「雪まつりの日」では子供だけをだけを大きく捉え、他のものは排除し簡潔な画面としているので、お祭りの神聖さを強くアピールさせることにも成功しています。

準大賞

ぼくは無敵

古澤 信子 さん(東京都)

撮影情報
撮影地
東京都 江東区 豊洲
カメラ
iPhone XR
レンズ
情報無し
絞り
1.8
シャッター速度
1/457
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
25
ご受賞者の声

写真のことは何もわからず、ただスマホのボタンをぽちっと押しただけの写真です。それが初めての応募でこのような立派すぎる賞をいただき恐縮しております。目の中に100回位入れても痛くない可愛い孫の写真です。現在4歳、この写真の時は3歳でした。この子の周りは味方ばかり、恐竜まで親友になってくれて怖いものは何もなくすくすくと育っています。だんだん大きくなってそのうちモデルにはなってくれなくなる日もくるでしょう。せいぜい今のうちにおもちゃでもあげてつきあってもらおうと企んでいます。ホームページで他の方々の芸術的なお写真を拝見させていただき、今後はもっと勉強をしなければと痛切に感じております。この様な機会をいただき本当にありがとうございました。

▼審査員講評丸林 正則氏

怪獣(かいじゅう)の威(い)を借りて自分までもが強くなったつもりでいる子供の絶妙な表情がなんとも可愛らしくて何度も見てしまいました。じつに良いタイミングでこの表情を捉えたものと感心させられます。この作品の成功のポイントは、表情は元より撮影アングルにあります。撮影者がしゃがんで子供と同じ高さから撮っているのでこの子の世界が見えるのです。加えて怪獣にもこちらに向かって来るかのような迫力を感じさせられます。また構図に関しても縦位置を選んでいるので、画面左右に存在している邪魔なものがカットされ、子供と怪獣だけが写り込んでいるシンプルなものとなって、この子の心情がより伝わりやすくなっているのです。

準大賞

刈り入れの後で

田島 顯 さん(神奈川県)

撮影情報
撮影地
宮城県 仙台市
カメラ
ソニー ILCA-99M2(α99U)
レンズ
ソニー 70-400mm F4-5.6 G SSMU 140mm
絞り
5.6
シャッター速度
1/200
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
100
ご受賞者の声

この度は、多くの素晴らしい作品の中から拙作(せっさく)をご選出いただき、光栄の極みです。写真に映っているのは、仙台市郊外の山間の地区で出会った風景です。西へ傾いた秋の陽射しの下、すっかり刈り入れの終わった田んぼの脇を通りかかると、とある一家が群れをなして歩いているのが見えました。少し冷たい風の中で橙色の光を受けた景色が広がっており、思わずカメラを構えていました。残念ながら、私の姿に気付いた一家は足早に去って行き、この光景が繰り広げられていたのは短い間だけでした。それでも、あの秋の色は、瞳の中にずっと残っています。

▼審査員講評丸林 正則氏

秋も深まった田んぼに餌を求めて姿を現した猿の群れを詩情豊かに描写した作品です。本来ならば田畑を荒らす悪者として見てしまいがちですが、この作品からは美しい秋の風景を構成する重要なファクターとして扱っているので、害を及ぼすような動物には感じられないから不思議です。これは光の選択とその活用の巧みさにあります。低い位置から射す秋の光線を逆光気味に用いることで、猿たちの体毛をラインライトで美しく浮かび上がらせたのが成功の要因だと思います。これを順光線で撮っていたならリアルな害獣(がいじゅう)の姿となっていたことでしょう。背後の木々や刈り入れの後の田んぼも金色に輝いて一幅の絵画を見るような好作品です。

準大賞

碧い瞳

椚 粛明 さん(山梨県)

撮影情報
撮影地
山梨県 笛吹市
カメラ
キヤノン EOS 5D markV
レンズ
EF20-35mm f3.5-4.5
絞り
4
シャッター速度
1/160
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
800
ご受賞者の声

この度は準大賞に選出していただき誠にありがとうございます。さらに他の2作品とも大変名誉な賞をいただき身が引き締まる思いです。この作品は我が家の愛猫を撮影した写真です。元々目が開いた頃に1匹で神社の境内にいた所保護されて、諸々の諸事情で我が家の一員になった保護猫で、先住の猫たちと共にのんびり生活しています。この写真では隠れている側の目が悪く良く見えていない様ですが甘えん坊で活発なお転婆娘です。写真は天井まであるキャットタワーの穴があいた板から下を覗いていた猫を下から撮影しています。私のカメラはバリアアングルなどがないので客観的に見たらとても面白い体勢だったと思います。写真の編集では、元々の碧い瞳を強調するようにしました。光の加減で見られるとても綺麗な深い碧い瞳をどうしても表現したかったのでレタッチをしました。私が師事している写真教室の講師に評価をお願いしたところ、目の強調は好みだろうけど面白い作品との評価をもらい、また、細かなレタッチのアドバイスを受けて仕上げました。的確なご指導ありがとうございました。私は家の中での猫写真が今回このような賞をいただけたことがとても重要であると思っています。猫写真は野外での写真の高評価に繋がることが多いと思っていました。しかし今、猫の飼育は安全な屋内飼育を推奨されているのです。確かに外猫でも地域猫の活動として大切にされていることもとても良い思っています。私は一つの命を安全安心な場所で生涯を共にするかけがえのない家族として考えています。なので家の中でも工夫して猫写真を撮影することにこだわりました。それを「家猫アートフォト」と勝手に呼称して撮影しています。日常の何気ない写真と共に凝ったアートフォトも撮影して家の中でも猫写真を楽しみたいと思っています。

▼審査員講評川合 麻紀氏

ひと目見たとき、その碧(あお)い瞳に釘付けになりました。まるで心を覗かれてしまうような瞳です。もともと写真の被写体として、直接対面しているような視線は印象が強くなりますが、キャットタワーの穴で囲まれた空間は額縁のように視線を集中させることもあり、猫の目に視線がさらに集中します。椚さんは色作りも独特で、全体の色調は抑えめにしているため、目だけが目立つような色作りになっています。また、明暗さを強調した仕上げをされているので、シーンとしてはシンプルですが、見せたいところが強調された作品になっています。

準大賞

案内猫

椚 粛明 さん(山梨県)

撮影情報
撮影地
山梨県 笛吹市
カメラ
キヤノン EOS 5D markV
レンズ
EF8-15mm fisheye(13mm使用)
絞り
5.6
シャッター速度
1/100
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
800
ご受賞者の声

この度は準大賞に選出していただきありがとうございます。他の2作品と共に栄えある賞をいただき夢のようです。この作品の撮影場所は、実は我が家の周り階段です。鳥かごの照明はそのまま階段照明です。照明を点灯した時の影が面白くて建築時にハウスメーカーさんに無理を承知で持ち込み設置したものです。この写真の要は魚眼で撮影して、壁はせり出しているように見えるのに影は凹んで見えること。そして、猫が道案内するように振り返っているところです。鳥かごの照明も空間を演出する要素、鳥かごの外にいるのに壁に籠の模様があり、籠の外にいるのか、中にいるのか、不思議な空間で、さらに猫が振り返り案内するように佇み…壁の向こう側に行けるのかな…と思ってしまう演出を狙い撮影しました。撮影は照明の影を強調する関係で、夜間、しかもストロボなどの補助光無し、じっとしていない猫、鳥かご照明が強いオレンジ色、壁は黄色に近い塗り壁、シャッター速度をあげれない、絞りはできれば絞ってパンフォーカスでなどなど…困難を極めました。この時程、猫語が話せてモデルに指示が出せたら、と思ってしまいました。ピンぼけ・被写体ブレ写真と自由な猫の写真はたくさん撮影できたのはいい思い出です。私が師事している写真教室の講師に何回も撮り直しの指示や編集のアドバイスをいただき最終的には色数を落としたモノトーン系にしました。何度も根気よく指導していただき、本当にありがとうございました。家の中でもアートな写真は工夫とひらめきで撮影できると思います。今後も「家猫アートフォト」に取り組んでいきたいと思います。

▼審査員講評川合 麻紀氏

猫の写真ですが、猫自身を撮影しているというよりは、物語の序章のような感じがします。タイトルもいいですね。これからどこかへ連れて行ってくれることを想像させます。それにしても不思議な空間ですね。広角レンズで歪ませた空間は、非現実的。照明が作り出すゆらゆらとした影が気持ちよく、猫がいなかったとしても、物言う空間になっています。さらに、そこに振り返る猫。椚さんはイメージ力に優れているんだと思います。この雰囲気を盛り上げるような色調作りも素敵です。

準大賞

eye phone

佐藤 雅大 さん(愛知県)

撮影情報
撮影地
愛知県 日進市
カメラ
ソニー α7V
レンズ
シグマ 35mm F1.4 DG HSM 35mm
絞り
2.8
シャッター速度
1/125
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
200
ご受賞者の声

この度は大変栄誉ある賞をいただき、ありがとうございました。自分の力を試したく応募させていただきました。さらに上を目指し精進したいと思います。

▼審査員講評川合 麻紀氏

面白い〜!なんかへんてこりんな感じなのは、スマートフォンに映っている顔や目のサイズが実際のお子さんたちのサイズ感と微妙にずれているからですね。顔の横幅は明らかにスマートフォンの映像より幅が狭いのに、目は実際より大きめ(笑)。実際スマートフォンで撮影したものと、この写真自体は35ミリのレンズでの撮影なので、そのズレなのかなと、ついつい観察してしまいました。仕掛けの面白さが前面に出ていますが、きれいな光、お洒落(しゃれ)な服装、実は全体的なクオリティーが高い作品でもあります。

準大賞

海辺で練習

大山 浩樹 さん(三重県)

撮影情報
撮影地
三重県 志摩市
カメラ
キヤノン EOS-80D
レンズ
キヤノン EF-S 18-135mm
絞り
10.0
シャッター速度
1/500
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
200
ご受賞者の声

思いがけない受賞の朗報に驚きと喜びでいっぱいです。受賞作品は写真クラブのモデル撮影会で撮った写真です。写真クラブでは女学生のモデルは人気で、毎年1回は自分の住む所では行われます。私は撮影にあたり、晴れた日は「光と影と主役と脇役とプラスα」を中心に撮っています。曇りと雨の日はこの手法はうまくいきません。写真は一期一会のチャンスをものにする気持ちで臨んでいます。最後に写真クラブのみなさまに感謝申し上げます。

▼審査員講評川合 麻紀氏

本当にこんな瞬間に出会えるのかと思えるほど、色々な要素が整った作品です。まずは、主役を引き立てる光と、それを際立たせる影の陰影。左右の影の部分があるからこそ、彼女のいるところの光がより強調されていますね。そして彼女の作り出す影の形。もうそれだけでほぼ完成された一枚の絵のようです。左下の花の黄色と靴の黄色がいいアクセントになっています。更に追い討ちをかけるような風。スカートと後ろ髪をふわっと持ち上げる瞬間。この動きによって、音が聞こえてきそうです。

準大賞

街は舞台

内海 一哲 さん(大阪府)

撮影情報
撮影地
大阪府 梅田市
カメラ
オリンパス
レンズ
オリンパス
絞り
情報無し
シャッター速度
情報無し
撮影感度 ISO〜(フィルムの場合はフィルム感度)
情報無し
ご受賞者の声

いつも総合写真展に応募した写真の審査結果が待ち遠しい日々が続きます。今回、郵便受けに届いた便りの中に総合写真展の審査結果が。「うおっ」と嬉しさがこみ上げてきました。長い間、この様な賞に恵まれなかったこともあって驚きと嬉しさが交差して心を昂(たかぶ)らせました。準大賞をいただきました。この写真は、漠然と広がり続いていく日常生活のかたわらで刻々と変わる都会の変容を劇場の舞台装置に見立てて撮影した一コマです。ありがとうございました。

▼審査員講評川合 麻紀氏

タイトル通り、舞台の上に女性がいるよう。目で見た感じは、雑然としてる工事現場のよくある風景なのだと思います。色と光のコントラストを強調したことによって、実際に目で見るものとは違う美しさを作り出した作品になっています。どんな仕上げ、色彩を最終的に選ぶかは、作者のイメージの力になってくるかと。何気なく見ているものも、こんな感じになるのではないか、あるいはこんな感じに仕上げれば自分のイメージにあうのではないか、と想像できることが大事です。カッコいい作品ですね。